JAMは2012年度に「アートマイル国際交流壁画共同制作プロジェクト」に参加した教師にプロジェクト全体を振り返ったアンケートをとりました。アンケートから教師の感想を紹介します。
<小学校教師の感想>
○「国際交流」や「異文化理解」といったテーマは多くの学校で取り組むが,実際の交流となるとハードルが高く,これまでは調べ学習をしたりゲストティーチャーを招いたりする学習にとどまっていた。しかしアートマイルプロジェクトでは実際に相手がいて,相手を想像しながら活動でき,壁画の制作という子供たちの人生においてかけがえのない体験をさせることができた。大変すばらしいプロジェクトである。
○初めての参加だったが、子どもたちにとって本当に素晴らしい取り組みだと思った。相手のことを知ることや、自分たちの文化を見つめることに必然性が生ま れることで、子どもたちが意欲的に活動する姿を実際に見て、自分も子どもたちと一緒になって楽しく取り組むことができた。
○子どもたちはアートマイルの活動を通して相手国を身近に感じ、素晴らしい国、行ってみたい国と思うようになった。他の国への関心も高まり、世界の課題について考えるきっかけにもなった。
○国語や社会など他教科の6年の学習と関連づけながらプロジェクトを進めた。子どもたちは教科の中で考える国際協力や世界平和への関心も深めながらプロジェクトを楽しんで取り組むことができた。テレビ会議等でコミュニケーションを取ることで相手の子どもたちと友達になり、相手国に親しみを持ち、世界平和を願う気持ちが生まれ、それを実現させる自己の生き方を一人ひとりが考えていた。6年生にとって非常に価値ある取り組みに参加できてとても満足している。
○今年の交流校の担当がJICAの隊員で日本人だったため、言葉の壁もなく、日程も誠実に守っていただけてとても良かった。テレビ会議を4回もでき、学校間の交流は十分満足のいくものだった。
○子どもたちはアートマイルで世界とつながったことをきっかけに、世界の厳しい現状を知ることができた。自分たちにもできることを考え、カンボジアの地雷撤去の活動をしているCMCという団体に書き損じはガキや文房具を送ろうと活動している。
<中学校教師の感想>
○昨年度から参加しているが、今年度はJICAの方の協力もあり、非常によい交流となった。今後は他教科との連携を視野に入れてアートマイルを校内に広げていきたい。単なる壁画の制作ではなく、多くのことを学ぶ機会である。今後も継続して取り組んでいきたい。担当としては大変だが、それ以上の成果を得られると思っている。私自身も学びの多い取組であった。
○交流相手国と繋がることによって他の国はどんなだろうかと世界に関心を持つようになった。実在する相手とリアルに交流でき、段階を追って進んでいく長期間の協働学習は、工夫次第でどのようにでも学習の幅を広げ、内容を深められるプロジェクトだと思う。
○鑑賞の授業をした時の子どもたちの発言:「インドネシア側の絵を見ていると私達よりもずっと自分達の伝統文化を大切にして生きているのを感じる」「住んでいる場所と国は遠く離れていてもみんな同じ地球で一生懸命毎日をその国の人なりに生きているんだと思った」。アートマイルは本当にすばらしい。これほど子どもたちが成長するとは、正直思っていなかった。
<高校教師の感想>
○海外の交流相手を探すのは昨今でも難しいが、JAM 事務局が間に入ることで大変スムーズに共通の意識を持ったパートナーに巡り合うことが可能であった。また、使いやすいフォーラムが設置されていることで交 流も進めやすい。フォーラムに動画もアップできるようになればさらに使いやすいと思いわれる。
○長期間相手とコミュニケーションをとりながら協働して進めていくこのプロジェクトは生徒の意識を変える力を持っている。