アートマイル環太平洋環境ユースサミットの報告会

1月19日(日)に、赤穂市文化会館(ハーモニーホール)で、一昨年12月にインドネシアで開催した「アートマイル環太平洋環境ユースサミット」(外務省・文部科学省後援)のユースによる報告会を行いました。

このユースサミットは、ジャパンアートマイルとインドネシアの環境教育NGO ”Tunas Hijau” が共同で開催 し、日本では外務省と文部科学省の後援事業として、インドネシアではスラバヤ市の共催事業として盛大に開催されました。

 

日本からは全国から中学1年生~高校3年生の8名が参加して、インドネシアのユースたちと環境について活発な議論を展開して環境宣言を行い、同時に文化交流を通じて友好を深めました。

 

報告会ではは兵庫県内の中学生3名と高校生1名が発表しました。彼女たちは、1年前のユースサミットを振り返って、自分の目で見たこと、自分の頭で考えたこと、心で感じたことを堂々と発表しました。また、インドネシアの経験を糧に自分の将来の夢に向かって行動を起こしていることにも触れるなど、素晴らしい発表でした。

【中学生の発表】

中学1年生で参加した現在2年生の3人の発表から紹介します。

■インドネシアのユースについての印象
・学校訪問をすると生徒が伝統的な歓迎の踊りで私たちを歓迎してくれました。とても立派な踊りに驚きました。日本人の中学生が海外から来た人を伝統的な日本の踊りでこのように歓迎できるかと考えると、インドネシアの人たちは伝統的な文化を日頃からとても大切にしているのだなと感心しました。

・環境ディスカッションのときに、インドネシアのユースは森林破壊やゴミのリデュースについて活発に議論し合っていたので、私はその勢いに驚き、圧倒されました。

・日本は経済や技術の面ではインドネシアより進んでいるかもしれませんが、
ユースの環境への意識や取り組みへの活動はインドネシアの方が積極的であるような気がしました。

・ディスカッションのとき、インドネシアのユースがすごく積極的に発言をしているのを見て、日本人はもっと自己主張が出来ないといけないのではと思いました。

・質疑応答でインドネシアのユースは積極的に次々と英語で質問してくるのですごいと思いました。インドネシアの学校では普段から授業でディスカッションやプレゼンが行われているそうで、その経験がこの場で役に立っているのだなと思いました。

■ユースサミットに参加した感想
・プレゼンは英語で思いを伝えるのはとても難しく、練習を重ねて本番に挑みました。発表は舞台の上で大勢の人の注目をあびる中行われました。とても緊張しましたが、自分でもびっくりするほど堂々と発表することができ、大きな自信と達成感を得ることができました。自分は少し変われたかなと思う瞬間でした。

・日本とインドネシアの間に英語でのディスカッション力にレベルの差を感じました。私ももっと英語力もそうですが、ディスカッション力やコミュニケーション能力をつけたいと思いました。

・ユースサミットに参加したことで、世界に目を向けられるようになったし、自分に自信を持てるようになりました。初めての海外がこのユースサミットで本当に良かったです。

【高校生の発表】

中学3年生でユースサミットに参加した後、この1年で将来の夢を叶えるために様々なアクションを取り、今年フランスに留学することに決めた高校生の発表です。

 

■ユースサミットで苦労したこと
・環境ディスカッションでは、インドネシアのユース7~8人の中に日本人一人で、辞書もなく頼るものがない追い詰められた状況だったから、どうにかして英語で伝えよう、なんとか聞き取ろうと最後まで自分の力で頑張れました。

・原稿やパワーポイントを作る上で一番大切なのは、資料の数字や情報ではな
く、自分達の考えや思いです。どうやったら自分達らしい原稿が書けるか、どうやったら自分達の伝えたいことがきちんと伝わるプレゼンができるか、試行錯誤を重ねました。

■ユースサミットで学んだこと
・インドネシアのユースと交流をして改めて英語力、主張する力、主張していくだけでなくコミュニケーション力が重要だと学びました。

・母国の大切さを学びました。日本人として日本の伝統や文化を外国に伝えていく必要があるのだと文化交流を通して強く感じました。

・違う国の人と交流する楽しさ。お互いの国の文化や伝統を知り、尊重できることは素晴らしいことだと思います。

・知らない世界を自分の目や耳で知ることの大切さ。情報化した社会の中で生きる私達。正しいか分からない不確かな情報を自分の中で勝手に解釈していくことの怖さを知りました。それが誤解、差別や偏見、そして世界単位で見れば戦争に繋がってしまうのだと思います。

■ユースサミットの経験を今後の自分に活かす
・サミットに参加したことは私の進路にも大きな影響を与えました。私は将来国連で仕事をしたいと思っています。サミットに参加する前は国連の職員の多くが一流大学を卒業していることから、一生懸命勉強して良い大学に入ることが国連で働くための一番の条件だと思っていました。しかしそれは間違いでした。一番国連が重要視しているのは、学歴だけでなくその人にしかない専門性、そして人間性だったのです。サミットをきっかけにそれらを身につけるために何をすべきか考えるようになりました。

・私はその答えを見つけるために行動しました。JICAのインターンシップやセミナーに参加して考えることでその答えを見つけました。それは、今しか出来ないことを一生懸命するということです。そして私が選んだことは高校留学、そして選んだ国はフランスです。

・フランスを選んだ理由の一つは、国連の公用語がフランス語と英語だから、もう一つは人とは違うことをしようと思ったから。自分が頑張ればフランス語も必ず習得出来ると信じ、また、非英語圏で過ごす一年間は私にとって強みになると思い、フランスへの留学を決めました。

・今後困難な壁にあたったとき、自分を支えるのは中学生、高校生の経験、人とのつながり、知らない世界から見つけた発見だと思います。だからこそ今を大切に、今出来ることを精一杯していきたいと思います。

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