2016年12月12日(月)~16日(金)にパリのユネスコ本部で開催したアートマイル壁画展は、外務省、ユネスコ日本政府代表部の協力を得て盛大に催すことができ、今後に繋がる大きな成果がありました。
●アートマイル国際協働学習の成果をアピール
初日のオープニング&カクテルパーティー(日本政府代表部主催)では、各国ユネスコ代表部大使、ユネスコ幹部、ユネスコ教育局職員、ユネスコ邦人職員、日本関連機関の関係者など多くの方に、アートマイルの意義と国際協働学習の成果を伝えることができました。
塩飽代表はオープニングで「先の読めないグローバル時代を生きる子どもたちは、次々と起こる新たな問題を世界の同世代と協働して解決していかなければなりません。アートマイルは、子どもたちが世界の人々との協働を原体験するプロジェクトです。対立ではなく、対話を。孤立ではなく、協働を!」とスピーチしました。
奇しくも帰国と同時に知ったドイツでのクリスマス市場のテロやトルコでのロシア大使射殺の事件を知り、これからの時代を創っていく子どもたちを地球市民としてどう育てるかは待ったなしの重要な課題だという想いを事務局一同強くしました。
●他国にその国を中心としたアートマイルを提案
今回の展示の目的は、アートマイルの成果を展示という形で発表することの他に、もう一つ今後に向けた目的がありました。それは他の国(特に世界をリードする立場にある先進国)にもアートマイルのホスト国となることを提案することでした。
世界が持続可能な社会になるため、世界がより調和して平和になることを目指すためには、JAMが日本と海外をつなぐだけでは不十分で、より多くの国がホスト国となってその国の学校と他の国・地域の学校を繋ぐことで、これからの時代を担う子どもたちが重層的につながり合うことが必要だと考えています。そのことを各国代表部大使や教育局の方々に訴えることができました。
●アートマイルの世界拡大に繋がる動き
「他国でも自国を中心としたアートマイルを」というJAMの提案に対して、ユネスコ教育局教員・学習・教育内容担当部長から、来年3月にカナダのオタワで開催するユネスコの国際会議でそのことを訴えてはどうかと会議への招待がありました。
それは「持続可能な開発のための教育」(ESD)と「グローバル・シティズンシップ教育」(GCED)の会議で、ユネスコASPnetの各国コーディネーターをはじめ世界の教育のリーダーが集まる会議です。
アートマイルはユネスコESDのグローバル・アクション・プログラム(GAP)にも登録していること、未来を創る子どもたちが学校教育の中で世界の同世代と繋がり協働的に学び合う学習は会議目的に合致していることから、オタワ会議はアートマイルをアピールするのに良い機会だと考えています。
UNESCO Week for Peace and Sustainable Development:The Role of Education
また、フランスのユネスコASPnetのコーディネーターはフランスを中心にしたアートマイルを始めることに関心を示し、1月にある国内会議で相談してみることになりました。
以上、ユネスコにおけるアートマイル壁画展が、これまでの成果を発表するだけでなく、今後につながる動きが生まれたことは大きな収穫でした。