7月22日(土)にJICA関西(神戸)でアートマイル関西セミナーを開催しました。40名定員のところ57名の参加がありました。岩本渉氏の講演「グローバル社会に求められる人材」は地球規模の視点でこれからの教育が語られて示唆に富み、小学校と中学校の実践発表は今文部科学省が求めている教育がここに「在る」ことを感じさせる内容でした。
「グローバル社会に求められる人材」
国立文化財機構アジア太平洋無形文化遺産研究センター所長 岩本 渉
2001年から8年間ユネスコ本部で中等技術教育部長、社会科学政策研究部長を勤められた経験などから地球規模の広い視野でこれからの人材育成についてお話しくださいました。
ユネスコの21世紀教育国際委員会(1996年)によると、学習の四本柱は、1)知ることを学ぶ Learn to know 2)為すことを学ぶ Learn to do 3)共に生きることを学ぶ Learn to live together 4)人間として生きることを学ぶ Learn to
be だということです。
平成26年度「スーパーグローバル大学創生支援」公募要領(文部科学省)から引用された「異なる文化への寛容性を持って地球規模課題の解決や未来の創造に貢献し、グローバルに活躍する人材や、グローバルな視点を持って豊かな地域社会の創造に貢献しようとする志を持った人材を育成する」という一節はJAMの目指すところと共通します。
最後に岩本氏が「アートマイルでは皆さんすでにこうしたことを実践しておられますね。感動しました。」とコメントくださいました。
<参加者の声>
(教師)
・これからの社会の中でこどもたちに求められてくる資質、能力とはどういったものか改めて考えさせられる時間になりました。
(中学生)
・私たちが日頃学ぶ数学、理科、社会は、これらはこれからの課題を見つけたり思考力を深めたりする「土台」でしかなく、勉強ができるだけではグローバルで活躍できないのだなと感じた。
・私たちの世代が当たる壁などは今経験しておいたほうがいいなと思う。どんなこれからの未来をどうつくるか、ぼくならどうするかを考えさせられた。
1.「自分事として考え、自分なりの答えをつかむことができる児童の育成
~国際理解は国内理解、アートマイル活動を通して~」
愛知県 津島市立北小学校教諭 中西 浩之
<参加者の声>
(教師)
・他の教科や単元と関連づけて教師がまずSDの視点をもつことはとても大切なことだと思った。その上で、子どもたちが主体的に取りくめるようにしていくことで充実した学習になると思った。
・教員が縁の下で準備、計画を十分に行い、生徒と同じ、もしくはそれ以上の熱意をもって取り組むことが重要なのだと感じました。
(中学生)
・小学校の例ながら「好き心」が大きく突き動かすことなど共感できる部分が多く、どう理由づけても「好き、面白そう」という気持ちが一番だと気づけた。
・子どもたちの知る姿、学び、創造する姿を通じで、アートマイルの本質的な部分について少しでも分かることができたような気がした。
2.「アートマイルの取り組みを振り返って 〜子どもの学びと教師の学び」
滋賀県 大津市立志賀中学校教諭 堤 祥晃
<参加者の声>
(教師)
・単なる創作活動ではなく、相手国への理解、自国への理解、そして国と国との交流を一枚の絵として形にする取組なのだと思いました。
・学習のプロセスがしっかりしていると、技巧ではない、絵に訴える力が生まれると思った。
(中学生)
・交流する前に子どもたちでしっかり話し合う、議論することで、相手国との交流がより深まることが分かった。
・言葉、文化、価値観など、交流をさえぎるものは少なくないだろうが、それを乗り越える「ツナガリ」や「チガイ」に対する考え方など、これからのグローバル社会に通ずるものは少なくないと感じた。